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公共部門向け生成系AIユースケース集
生産性向上

「業務見える化シート」で出来ること、出来ないこと

業務見える化シートとは、業務の流れや作業手順、業務発生頻度などを図やテキストにして表したものです。会社によっては「業務フロー図」や「作業手順書」などと表現します。

≪業務見える化シートの一例≫

業務体系

業務タイプ

備考

大分類

中分類

1

清掃

1.1

売り場清掃

固定

1日3回実施

1.2

バックヤード清掃

固定

1日2回実施

2

レジ

2.1

レジ清算

変動

 

2.2

レジ備品

補充

固定

 

3

商品補充

3.1

商品

荷受

固定

特定の時間

3.2

商品陳列

変動

 

参考:株式会社日本能率コンサルティング「計画的な業務割当による人時生産性向上

この業務見える化シートでは業務実態を体系的に表し、発生頻度なども記載しています。さらに小分類として作業手順を細かく記載する方法もあります。こうした業務見える化シートを作成することの狙いは業務の「ムリ」「ムダ」「ムラ」を排除するためです。

  • ムリ…特定の担当者に多くの業務が集中し無理が生じる
  • ムダ…本来不要な業務などが混在している
  • ムラ…担当者がごとに手順が違い生産性にムラがある

この「3つのM」を排除することで業務効率が良くなり生産性が向上します。今回はそんな業務見える化シートの作成方法や、出来ること・出来ないことを紹介していきましょう。

業務見える化シートの作成方法

まず業務の流れを表す見える化シート(業務フロー図)の作成方法をご紹介します。

業務の流れを表すためには一般的に線や図形を活用し、誰もが一目で流れを理解できるようにするのがポイントです。そこでまずはいくつか線や図形のルールを作ります。一般的なルールを如何にご紹介します。

≪業務の開始と終了≫

業務がどこから始まりどこで終わるのかを表す図形です。主に四角形を用いて表し、終了は二重線を表します。

≪業務の行動と処理≫

業務に発生する特定の行動と処理を表す図形です。主に角がとがった四角形を使用します。

※画像挿入箇所

≪業務の判断≫

業務の中で物事を判断する事象が起きることを表す図形です。YESの場合は下線で業務フローを進め、NOの場合は横線で別のフローに移るかフローを戻します。

※画像挿入箇所 

≪書類作成≫

業務に関係する何らかの書類を作成することを表す図形です。下側が波線の四角形で表すことが多いでしょう。

※画像挿入箇所 

≪システム入力≫

何らかのデータをシステムに入力する業務が発生する際に使用します。主に円筒形の図形を表します。

※画像挿入箇所

こうしたシンプルなルールを作成するだけでも業務フロー図はすぐに作成できます。ただしおすすめはBPMN(ビジネスプロセスモデリング表記)を活用することです。BPMNは上記のように図形と線で業務フローを定義するためのものですが、国際標準に認定されているので明確な規定があります。

社内で作成したルールだと各人独自の業務フローを作成してしまう可能性があり、ルールを細かく整備するまで時間を有します。その点BPMNはすでに業務フローを作成するために最適化された記述方なので、BPMNを習得するために少し講習会を開けば誰もが同じように業務フローを作成できます。

冒頭で紹介した業務見える化シートのように業務量を表す際は①実測法、②実績記入法、③推定比率法、④合成法を活用しましょう。 

  1. 実測法…観測者が実際の業務を見ながら業務量を記入していく
  2. 実績記入法…従業員に各作業にかかった時間を実績として記入してもらう
  3. 推定比率法…業務に関係する従業員や責任者が1日の全体業務時間から逆算して業務量を推定する
  4. 合成法…多数の観測結果から特定の業務にかかる業務量を予測し平均値を出す

業務量の調査は業務フローの定義よりも時間がかかるかもしれません。しかし、業務量を明確に把握することで業務に発生する「ムリ」「ムダ」「ムラ」を可視化できるため、ぜひ取り組んでいただきたい見える化の一つです。いずれか一つの手段を取るのではなく、複数の手段で調査することでより高い精度で業務量を把握できます。

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業務見える化シートで出来ること・出来ないこと

各業務見える化シートには出来ること、出来ないことについて説明します。

≪業務フロー図≫

業務フロー図を作成すると業務の流れを誰もが瞬時に理解できるメリットがあります。取引先と契約するにあたって自社の業務フロー図を提出することもあるため、やはりBPMNなど国際標準を採用しておくと取引先のフォーマットに合わせる作業が少なくなるというメリットもあるでしょう。ちなみにBPMNはBPEC(ビジネスプロセス実行言語)というプログラミング言語に直接落とし込むことができるため、システムで業務フローを定義する際も活用できます。ただし、BPECを活用するためには専門知識が必要なBPMNレベル2を習得する必要があるでしょう。

反対に出来ないことは業務発生頻度を把握したり、細かい業務内容を表せないことです。従って業務フロー図は業務プロセス間の繋がりを把握したり、より効率の良いプロセスを再設計する際に用います。

≪業務体系表≫

冒頭で紹介した業務見える化シートを業務量体系表と呼びます。このシートで出来ることは業務を体系立てて並べることで各業務大まかな内容や流れ、あるいは業務発生頻度を把握できます。業務タイプを固定か変動化に分類すれば売上に直結するか否かを判断することもできるため、優先順位を付けて業務改善に取り組むことも可能です。

ただし、業務内容を表として記すため業務フロー図のように業務の流れを直感で理解することは難しいでしょう。

≪作業手順書≫

作業手順書は業務体系表よりも細かく一つひとつの業務に着目して、作業手順と作業内容を細かく記すための業務見える化シートです。一種のマニュアルでもあるので、作業手順書があると誰もが同じ手順で業務を行えます。業務を行うタイミングなど細かい指示もあれば、新入社員がベテランと同じように仕事をこなすことも可能です。

その反面、業務プロセス全体を見渡して業務の流れを理解したり、業務区分を理解するのには向かないシートです。

≪業務量分析表≫

業務量調査に基づき従業員ごとの業務負担を把握するための業務見える化シートです。同じ部内にあっても新入社員とベテランでは発生する業務量が違いますし、各人の能力や容量によって与えるべき負荷が違います。もしも「業務負担が偏っていて生産性が落ちている」と感じたら業務量分析表を作成して、従業員各人の業務量を把握しましょう。業務量の平準化を図れば特定の従業員にかかっていた負担を軽減し、リソースを最大限活用することで生産性を向上できます。

ただし、従業員各人の業務量を把握するだけなので細かい業務内容を理解したり業務フローを展開するためのシートではありません。

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色々な業務見える化シートを使って業務効率化しよう

 以上のように業務見える化シートには様々な種類があり、それぞれに出来ることと出来ないことが違います。いずれか一つの業務見える化シートを作成するのではなく、目的に合わせて複数のシートを活用して業務効率を改善しましょう。

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