業務改善

製品ごとに違うRPAの開発方法の比較

RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)はどれも同じ、と思っていませんか?

RPAは人事や経理、総務といったいわゆるホワイトカラーに多い「繰り返し型の定型業務」を自動化するためのロボットソフトウェアです。国産ベンダー、外資ベンダーの製品を合わせると、現在40種類以上のRPAが存在すると言われています。

このRPAを導入するにおいて避けなければいけないのは「結局自動化するという機能は変わらないのだから、どれも同じだろう」と考えてしまい、RPAの選定を価格だけで行ってしまうことです。価格は重要な要素であることは確かですが、それだけで導入すれば自社の環境や体制と合わず、使えないものになってしまいかねません。やはりRPAもある程度慎重な選定が必要です。

そこで今回は、選定時の要素の一つになる「RPAの開発方法」についてご紹介します。RPAはユーザー部門が業務に従って保守してゆく可能性もあるので、選定時のいくつかの項目の中でもより自社の状況に合ったものを選択しないといけない項目です。まずはRPA選定の第一歩として開発方法の違いについて知っていただきたいと思います。

徹底解説!RPAの導入メリットとツールの選定ポイント

RPAの開発方法は2つに大別される

本稿ではRPAの開発についてのタイプとそれぞれの特徴についてご紹介します。

RPAの開発方法は大別すると2つあります。「GUIベース」「コーディングベース」の2種類です。

GUIとは「グラフィカル ユーザー インターフェイス」のことで、テキストではなくアプリケーションで直感的にパソコンを操作するための画面です。たとえば皆さんが普段使用しているパソコンのデスクトップ画面には、様々なアプリケーションが配置されそれをマウスポインターでダブルクリックすると起動されます。これがGUIをベースにした操作画面です。

今ではGUIが当たり前なので意識することもないと思いますが、振り返れば25年以上前のパソコンはDOSというOSであったため、現在のWindowsにあるコマンドプロンプトに相当するインターフェイスのみでした。そこにコマンドを入力して操作を実行していました。これはCUI(キャラクタ ユーザー インターフェイス)と呼ばれました。

これに対し、Windowsが普及して以降、グラフィカルな画面をマウスで操作する方式が主流となりました。これがCUIに対するGUIです。

しかし、OSがGUIをベースのものに変わっても、一般的なアプリケーションの開発は、開発言語を使用したコーディングベースの開発環境が主流でした。画面のオブジェクトの配置などはGUIで行っても、たとえばボタンのクリック後の処理はプログラム言語で記述します。

これに対して、一部のRPAでは処理の記述自体を開発言語ではなく、GUIによるオブジェクトの配置と、あらかじめ定義されている処理への設定のみで完了できるものがあります。

このようなタイプの開発環境であれば、アプリケーション開発の知識がなくても業務処理の知識があれば、設定ベースでRPAの動作を定義してゆくことが可能です。

これに対してコーディングベースの開発では、RPAで自動化するためのプログラムを自分で記述してソフトウェアロボットを開発する方法です。当然ならがGUIに比べて開発難度は上がります。使用する開発言語はRPAによって異なりますが、少なくともある程度のプログラム開発の経験がないとRPAの動作の定義は難しいでしょう。

業務棚卸チェックシート
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GUIベースとコーディング、それぞれの特徴

GUIベースの開発の特徴はやはり「開発の容易さ」です。一般的に開発というと専門技術を必要とすると思いがちですが、GUIベースを採用したRPAは開発言語などを知らなくても簡単に開発できるよう設計されています。

その一方で、「特殊・複雑過ぎる業務には適用できない」という特徴もあります。GUIベースのRPAで自動化できる処理はあらかじめツールがテンプレートを用意している範囲なので、それ以外の処理を行う場合には別のアプリケーションを用意するなどの対応が必要になります。とはいえ、一般的に事務処理で行うような処理はほぼカバーできるので、まずは試してみることが重要です。

これに対してコーディングベースは、開発難易度こそ高いものの、GUIベースに比べて高度な自動化ができるという特徴があります。単純なユーザー操作だけではなく、他のアプリケーションとのAPIやデータレベルの連携なども作れてしまうので、可能な処理の範囲は非常に広くなります。

ただし、社内に複数人RPAを開発できる人材が必要であることと、開発者以外はソースコードを解読するのが困難なため、運用保守が難しくなってしまうなどの注意点があります。

GUIベース向きの企業、コーディング向きの企業

GUIベースかコーディングかという選択は、RPAを導入する企業に「どのような運用体制しするのか」「RPAで何を自動化したいか」という視点が必要です。

まず、IT部門ではなく、ユーザー部門が運用してゆく場合にはGUIベースのRPAを選びましょう。コーディングには人材育成や確保といった、時間もコストもかかる対策が必要です。RPAを提供したい業務範囲が一般的なユーザー操作の範囲であればGUIベースのRPAでほとんどの定型業務を自動化できます。

また、IT部門が運用する場合にも一般的な定型業務の自動化が対象であれば、やはりGUIベースがよいでしょう。基本的には業務を知っているのはユーザー部門であり、現在の処理の可読性や保守性を考慮した場合には、GUIベースのRPAは非常にメリットがあります。

いずれにしても、実際に処理に対して責任があるユーザー部門がRPAで何をやっているのかが理解でき、必要に応じて自分たちで修正や保守をできることは、RPA導入の主旨を考えても非常に重要なポイントです。この部分をブラックボックス化してしまうと、せっかくのRPAも長い目で見ると効果が薄まってしまいます。

従って、RPAは可能な限りユーザー部門が主体となって運用し、情報システムはあくまで補助的な立ち位置で構えている方が、より高い導入効果を得られるでしょう。

これに対し、IT部門が業務プロセスまで理解して運用保守を一手に引き受ける場合や、複雑な処理を伴う業務の自動化を行いたい場合などはコーディングベースのRPAが視野に入ってくるでしょう。

ここで考慮するべきは、RPAの開発は導入時に行えば終わるものではないということです。継続的に変更したり、新しく開発したりというプロセスが迅速に行われないと、結局宝の持ち腐れになってしまいます。そのためには、RPAの開発方式は非常に重要なポイントになります。自分の組織の体制やスキルを考慮して選択しましょう。

RPA開発方法にはもっと細かい違いもある

ここまでの内容でGUIベースかコーディングベースか、どちらの開発方法が自社にとって最適なのかのイメージができたのではないでしょうか?ここまでは、開発の方法としてGUIベースかコーディングベースかで大別しましたが、さらにたとえばGUIベース同士でも製品ごとに差がついてきます。

このように、大きな開発方式でどちらが自社に合っているかを決めたあとも、必ず開発作業を試してみて、開発自体が行いやすいか、出来上がった処理の保守はしやすいかなどを確認し、RPAのメリットを最大限に享受してください。

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