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公共部門向け生成系AIユースケース集
生産性向上

業務量分析で行うべき5個のポイント

「業務量分析」とは、業務改善における前準備のようなものであり、業務ごとの「負荷」や測定するための分析です。ただし、単に業務量を測定するだけでなく、対象となる業務全体を可視化することで、業務改善のヒントを見つけます。

精度の高い分析結果がなかなか出ずに、躓くことも多い施策なので、ここで業務量分析のポイントを押さえていきましょう。

業務量分析の意義を知り、目的を明確にする

「業務量分析とは何のためにあり、何を目的とするのか?」正しい業務量分析を行うためのスタートラインはここです。

業務量分析を行う意義はいくつかあります。第一に、業務全体を把握することです。一口に「業務」といっても様々なものがありますし、同じ業務であっても、関係者間でその作業範囲の認識が異なることがあります。そのため、関係者全員が業務全体を等しく理解することが大切です。

2つ目の意義は、「ムダな業務」を把握することです。あまり効率化が進んでいない環境では、「何のために行っているのか分からない」という、目的の無い業務が当たり前に実行されているケースが少なくありません。「以前に役員から依頼があり、いつでも提示できるよう継続して用意しているが、いまだに声はかからない」など、明らかにムダな業務が往々にして存在します。業務量分析は、そうした「ムダな業務」を把握するためも重要なものです。

まずは、こうした業務量分析の意義を理解しましょう。その上で、自社が業務量分析に取り組む目的を明確にしてください。

実は、業務量分析の目的が曖昧になっているケースが少なくありません。多くの担当者が「業務量分析は業務改善のためのもの」と当たり前に思っているためです。しかし、目先の目的で言えばボトルネックの洗い出しや業務負荷の平均化など、他にもたくさんの目的があります。

そうした目的を、具体的かつ明確にすることで、業務改善関係者全体で、その意識を共有できます。

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業務実態を可視化して、正しく把握する

業務実態を可視化することは、業務全体やその内容を知るためにとても重要なことです。そのため、この手順には十分な時間を使って行う必要があります。さらに、次のようなツールを使用して、業務実態を正しく把握できるようにしましょう。

業務体系表

業務体系

業務タイプ

備考

大分類

中分類

1

清掃

1.1

売り場清掃

固定

1日3回実施

1.2

バックヤード
清掃

固定

1日2回実施

2

レジ

2.1

レジ清算

変動

 

2.2

レジ備品補充

固定

 

3

商品補充

3.1

商品荷受

固定

特定の時間

3.2

商品陳列

変動

 

参考:株式会社日本能率コンサルティング「計画的な業務割当による人時生産性向上

これは、一般社団法人日本能率協会(JMA)が推奨する業務量分析のためのツールで、業務実態の把握に活用されます。

「大分類」に業務カテゴリを、「中分類」に具体的な業務、必要とあらば「小分類」を造りさらに具体的な業務内容を記載します。「業務タイプ」欄にある「固定」と「変動」は、固定業務と変動業務のことで、売上に関係なく発生する業務は「固定」、売上に応じて業務量や業務時間が変化する業務を「変動」と記入します。最後に重要な備考事項を記入します。

このツールを活用すると、多数ある業務も体系立てて把握できるので、業務量分析に大いに役立つでしょう。

ついでに業務実態把握の際のポイントを一つ紹介しておくと、それは「一人ブレストをする」ことです。つまり、この業務体系表を記入する関係者全員が、各人頭の中で実際の業務をイメージしつつ、記入欄を埋めていきます。

そうすると、AさんとBさんは同じ業務でも適用範囲の認識が違っているなど、関係間の認識のズレに気付けるでしょう。「一人ブレスト」は意外と重要なポイントなので、徹底して実施しましょう。

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業務のボトルネックになっている部分を探す

業務プロセスの中で円滑な遂行を妨げている部分を、「ボトルネック」といいます。ボトルの首のように細くなり、物事が円滑に進まないことからこのような名称が付いています。ただし社内で「真因」など共通の名称が既にある場合は、あえてボトルネックと言う必要はないでしょう。

ボトルネックを見つけるためのポイントは、次の○つの視点で業務を見つめることです。

  1. 必要以上に時間がかかっている部分はどこか?
  2. 全体の効率を引き下げている部分はどこか?
  3. 平均作業時間と比較して、バラつきの多い部分はどこか?
  4. 繰り返し行っている部分はどこか?

こうした視点を持って業務を見つめると、ボトルネックを見つけやすくなります。一つ注意していただきたいのは、「ボトルネックになっている部分に、必ずしも原因があるとは限らない」ということです。

例えば業務全体のボトルネックになっている作業Cがあったとします。しかし、その作業Cをボトルネックたらしめる原因は、その前工程である作業Aや作業Bに原因があることも少なくないのです。

従って、ボトルネックを探す際は柔軟な視点を持って、原因特定を行って下さい。

業務の付加価値を明確にして、無駄を排除する

業務実態の把握で可視化した多数の業務に対しては、「付加価値があるか」を一つ一つ判断していきましょう。ちなみに付加価値はとは、「顧客にとって何らかの価値を提供する業務」という意味です。

顧客にとって価値がある業務は「付加価値業務」、価値がない業務を「非付加価値業務」と分類します。

この分別を正しく行うために大切なのが「顧客視点で考えること」です。業務改善を成功させ、生産性向上を確実に実現するためにも、顧客にとって価値が無い業務に関しては断固たる姿勢で「日付加価値業務」と判断します。

例えば、社内向けの帳票作成業務は「日付加価値業務」に分類されるので、システム化や外注など、業務効率をアップするための選択肢が多数あります。そうした効率アップの余地が「あるかないか」を明確に判断するためにも、「付加価値業務」と「非付加価値業務」の分類は必ず行いましょう。

業務量分析への理解を得る

最後に、業務量分析というのは長期間にわたって行うことが多いため、それに参加する被調査者にとっては負担の大きな取り組みになります。日常業務をこなしながら業務量分析にも関わるので、負担が増加して当たり前です。

そのため、業務量分析に取り組む前に、必ず被調査者の理解を得ましょう。

業務量分析の意義と目的、人事評価には影響しないこと、だから必要以上の努力はせず普段通りの姿勢で業務に取り組むことなど、説明し理解してもらうことはたくさんあります。

被調査者が業務量分析への取り組みを理解しているか否かでは、調査結果の精度などが大きく変化します

まとめ

今回紹介した、業務量分析の5つのポイントは基本的なものです。そのため、実際はさらに多くのポイントを押さえて取り組む必要があります。ただし、これら基本ポイントをまず押さえていないと、どんなポイントを押さえていても取り組みは成功しません。

ここで紹介したポイントをそれぞれ押さえて、効果の高い業務量分析を実施しましょう。また、業務の可視化により、通常こなしている業務の無駄を抑えて効率化することができます。

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